産休・育休復帰後に陥りがち!?「マミートラック」について考える

働き方

マミートラックという言葉をご存知でしょうか。

わたし自身、この言葉を知ったのは産休・育休明けでいざ「職場復帰するぞー」となった頃になります。

マミートラックとは、出産した女性が産休・育休から職場復帰した際、勤務時間の変更や配置換えなどによって、昇進やキャリアアップの機会が与えられず出世コースから外れてしまう状態のことです。

対義語として出世コースであるファスト・トラックがあります。

まるで陸上競技のトラックを走り続けるように、同じコースをぐるぐる回っている状態というのがイメージしやすいでしょうか。

元々は育休復帰後のひとつの働き方として、そうネガティブではない意味合いで出てきた言葉ではあるようです。

実際子どもができてほとんどの女性が会社をやめざるをえなかった中、時間を絞ってゆるく働くことができ、仕事も育児も両立して続けることができるというのはある意味理想的な働き方とも言えるのかもしれません。

マミートラックの問題点

では、マミートラックとは何が問題なのでしょうか?
わたしが感じたことを中心にまとめていきたいと思います。

問題点1:なぜ「マミー」トラックなのか

まず、この状態に陥る多くが女性であるということ。「ファザートラック」という言葉は聞いたことがありませんね。
子どもができても男性はこれまで通り、もしくパートナーに家のことを任せて仕事に没頭できるのに対し、多くの場合女性側が仕事をセーブすることになります。


わたしの職場には同時期に子どもが生まれた男性が多く、彼らの多くは子どもができてからも遅くまで働き続け、日によっては明朝まで自由に飲みにでかけ、時々パートナーに怒られるまでがセットでした。

一方わたしは保育園のお迎えに間に合う時間に帰れるように勤務時間を調整してもらい、もちろんその分は減給となり、遅くまで働く同僚を尻目に慌てて「お先に失礼します」と帰っていました。
もちろん気軽に飲みになぞいけません。

飲みニュケーションも仕事のうち・・・・
コロナ禍でだいぶ減りましたが・・・・

うちの場合は勤務時間が不定期な夫に比べ、調整の効くわたしがこうなるのは仕方ないことなのですが、なぜ同じ状況のはずの男性に比べてわたしだけが不自由なんだろうと不思議に思うことが多々ありました。

各家庭の事情についてはわからないので様々なケースがあると思いますが、傾向としては女性が働き方を変えなければ行けないケースのほうが多くなりがちです。
わたしの周りではまだまだ女性が「結婚・出産で仕事をやめる」が7割、「仕事を続けるが時短などでセーブする」が2割、といった状況でした。

それでも復帰当初は明るいうちに帰れて体力温存できるし、少ない時間でパフォーマンスを出せれるように頑張ろう!とポシティブに捉えるようにしていました。

問題点2:昇進・昇給チャンスを逃し、同期や後輩に先を越される

これは産休・育休を挟むことによるものなので仕方なくもあるのですが、仮に1年半休むと、年2回昇給チャンスが有る場合、まるっと2回分逃すことになります。
復帰後にその辺りを考慮してもらえればいいのですがもちろんしてもらえず、それどころか産休に入る前に頑張っていたはずの仕事がなかったことのようになっていたのが衝撃でした。

この時点で、周りに比べてトラック周回遅れの状態ですね・・・

え!?あんなに頑張ってたあの毎日なんだったの!?

(わたしの場合、復帰前に一緒に働いていたチームが全員やめてしまい、産前のわたしの働きぶりを知っている人がいなくなったという事情もあります)

それでも最初の頃はイチから信頼関係を築き直しにはなるけど、結果を出せば認めてもらえるはず!がんばろう!とポジティブにと捉えるようにはしていました。

しかし気づけば、わたしより後に入社した男性(子持ち)だけが昇進…。
わたしの育休中はその人が中心で回していたわけだし、わたしが実力を示せなかったといえばそれまでなのですが、産前は一応部下もいた立場だったはずなのに・・・と思うとやるせないです。

問題点3:配慮はありがたいけど…これって贅沢?

時短勤務をすると、どうしても作業時間が短く、慣れないうちは特に時間内に仕事が終わらない場合も出てきます…。
今日は午前中にアレ終わらせるぞ!!と思っているとこへ、保育園から「お熱です。お迎えに来てください」という電話がきたり…。

長く時間を取られそうなプロジェクトや夜遅くに発生する会議、夕方突然「今日中にどうにか」とクライアントからかかってくる電話には対応できない…。

そして周りも「あまり責任の多い仕事を任せると負担になるだろう」、「任せすぎないようにしなければ」と配慮した上で、出産前と同じ仕事が回ってこなくなってきたりします。
もちろん、悪気が合ってやられているわけではないのは分かっています。(悪気があるのだとしたらそれはただのモラハラ?です!!)

自分から「やります!」と言いたくても、途中で子どもが熱を出したら?時間内で終わらせられないのでは?という不安から自分から手をあげることもしにくくなってきます。

そんなこんなで自分って仕事できないやつと周りに思われているのでは?と自己肯定感低下との戦いに・・・。
さらに責任のある仕事を任せられにくくなると、だんだん仕事に対するモチベーションを保てなくなっていきます。

その働き方が合っているという場合もある

もちろん、悪いことばかりではないですよね。
仕事を少なくしてもらえることで家事・育児に手を回せる。
産後のお母さんが体調管理しやすくなる。

そもそも別にキャリアとか気にしていないし…そういう人も多くいると思います。

ですので大事なのは、「本人の希望に沿っているか」という部分です。

・本当はもっと仕事を頑張りたいのに、させてもらえない
・今は育児に手がかかるので詰め込まれては困るのに配慮してもらえない

真逆の状態になりますが、どちらも本人の希望が伝わっておらずストレスフルな状態です。
自分から発信できる環境であるのが一番ですし、難しければきちんと面談などで希望を聞いてくれる環境があると、こういった問題は減るのではないでしょうか。

わたしも初期は社長と直接面談する機会がもらえたので、「こんな仕事がしてみたいです」と直談判できて、じゃあやってみる?と言っていただけたのが嬉しかったです!!

まだまだ知られていない?マミートラック

以上がわたしの感じたマミートラックの問題点ですが、思ったほどこの言葉を聞く機会は少ないです。そんなに問題に感じる人が少ないのでしょうか・・・?
とはいえ少なくともこのブログを読んでいただいた方は、気になっている部分だと思いますので、少しでもそんな人に、悩んでるのは自分だけじゃないんだ!!と思っていただきたいなと思います。

じゃあ、どうすればいいの!?というのは現状マミートラック真っ只中で答えを出せていないわたしが語るのも違うかなと思うので、また抜け出せそうな状況になった時などにお伝えできればなと思います。


ちなみにマミートラックについて、育休中にわたしがなるほど!そういうことか!と思ったのが「伝説のお母さん」という漫画をドラマ化したもののワンシーンです。
魔王に「人間の世界には働く母親にはマミートラックというものが存在する」という説明をしているシーンで、魔王が「人間とは難儀な生き物だな」(セリフはうろ覚えです)と皮肉っています。

マミートラック以外にも、保育所待機問題や育児参加しない父親問題などをファンタジーな世界観でずばずば切り込んでおり、RPG好き子育て世代にはたまらない作品ですので、漫画版もドラマ版も、ご興味があれば是非見てみてください!

わたしは育休中これでかなり勇気づけられました!

▼「伝説のお母さん」漫画版

▼ドラマ版※NHKオンデマンドで見られるみたいです!

伝説のお母さん
前田敦子主演のロールプレイングゲーム(RPG)の世界が舞台のファンタジー「伝説のお母さん」。主人公メイは伝説の魔法使いだが、今は赤ちゃんを生んだばかりのママ。国王の命で仲間たちと魔王討伐の旅に出ようとするが…「無理です!保育園が空いていないんです!」待機児童にワンオペ育児…問題山積みの中、育児と家事と仕事の両立に奮闘す...

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