ワーママって、わがまま?をテーマに書いてきましたが、その④はついに本題です。
このブログのタイトルにもある、マミートラックについて。
毎日大変だけど、仕事と育児の両立はできている。時短もちゃんと取れている。
だけど、責任ある仕事からは外され、評価も昇進も止まったまま。「本当はもっと働きたいのに」と思いながら、こんなふうに望むこと自体がわがままなのかな、とも感じてしまう。そんな“マミートラック”の話です。
マミートラックって、なんだろう
マミートラックとは、仕事と子育ての両立はできるけれど、昇進や昇格とは縁遠いところに置かれてしまうキャリアコースのことです。両立しやすい代わりに、キャリアはゆるやかに止まっていく。そんな状態を指します。
(参考:マミートラックとは?(マイナビキャリアリサーチLab))
やっかいなのは、これがしばしば善意の顔をしてやってくることです。「フォローはこっちでするから、帰って大丈夫」「負担の大きい仕事は回さないようにするね」という気遣い。ありがたいはずのその配慮が積み重なると、気づいたときには以前は当たり前のようにできていた仕事からそっと外され、評価されにくい場所に立っている。一度この流れに入ると抜け出すのは簡単ではなく、出産後7年以上も抜けられないケースもあるそうです。
このブログのタイトル「マミートラック周回中」も、ここから来ています。トラック(陸上競技場のあの楕円のコース)を、抜けたいのにぐるぐる走り続けている感じ。当時の私の気持ちそのものでした。だから、もし今あなたが同じ場所を走っているなら、その苦しさは痛いほど分かります。
私の場合は、復帰したら社内のメンバーが変わっていて、以前やっていたような中心的な仕事は、いつのまにか別の人に渡っていました。「無理しなくていいからね」と言われ、頭では納得しつつ、心のどこかで「私はもう、あてにされていないのかも」と寂しくなったのを、よく覚えています。
本当は、もっと働きたかった
私がマミートラックのなかでいちばん飲み込んでいた言葉は、「本当はもっと働きたい」でした。もっと仕事を任せてほしかったし、責任のある仕事にも関わりたかった。やりがいを諦めたつもりは、まったくなかったんです。
でも、それを口に出すことが、どうしてもできませんでした。だって、手を挙げても、実際は時短勤務で早く帰らなくてはいけない。子供の熱で帰ることがあるかもしれない中、やり遂げられるかわからない。無理のないようにと配慮してもらっているのに、その上で「もっと仕事をください」「手応えのある仕事に入れてください」なんて、図々しいにもほどがある――そう思って、本心にふたをしていました。
それでも私は「配慮してもらっている分、仕事の希望のほうは我慢しなきゃ」と、勝手に自分のなかで取引をしていました。今思えばその気持ちを素直に誰かに話すべきだったと思っています。
「もっと働きたい」は、わがままじゃない
なぜこの思いを共有できなかったのかというと、同じ気持ちの人が周りにいない思っていたからです。当時の自分の周りは、職場では独身女性と既婚男性が大半、周りの友人は結婚と共に会社を辞めている人がほとんどで、「多くを望みすぎじゃない?」と暗に言われることもありました。
でも今は、同じ気持ちを抱えている人は、SNSをのぞくと本当にたくさんいます。
「男の人が時短を取れない、なんて決まりはどこにもない。なのに、なぜ男性はほとんど時短を取らないのか。それは、自分のキャリアを犠牲にしてまで子育てをする勇気がないから。私たちは、その勇気があるから、キャリアを犠牲にしているんだ」
そんなSNSでのコメントに、衝撃を受けました。時短を選ぶのは弱さじゃなく、むしろ勇気。だとしたら、「時短にしてもらった負い目」を理由に、本当の希望を我慢する必要なんて、どこにもなかったんです。そして、こんなことで悩む自分はわがままかもしれないと思っていた私は、同じ悩みを抱えているワーママが確かにいることにも勇気がもてました。
「もっと働きたい」「もっと任せてほしい」と望むことは、わがままでも図々しさでもありません。時短で時間に制約があることと、仕事にやりがいを求めることは、まったく矛盾しない。両方を諦めたくないと思うのは、ただ前を向いている、それだけのことです。
もちろん、望んだからといって、すぐに状況が変わるとはかぎりません。それでも、「わがままだから黙っていよう」と「これは正当な希望だ」とでは、心の置きどころがまるで違います。まずは自分の願いを、自分でちゃんと認めてあげること。次の一歩は、たぶんそこからしか始まらないんだと思います。
出口は必ずある、抜け出す道は、ひとつじゃない
マミートラックを抜けたいと思ったら、道は一つではありません。今の場所で「もっとこういう仕事がしたい」と希望を伝えてみる。評価制度や両立のしやすさで会社を選び直す(転職)。在宅やフリーランスなど、働き方そのものを変える。あるいは、今は無理に変えないと決める。どれも、立派な選択です。
私自身は自分の心を守るために、フリーランスという選択をしましたが、それが唯一の正解だからではありません。会社でいきいき働く人もいるし、一度離れてまた戻る人もいる。もし少しでも変えてみたいなら、“調べてみるだけ”でも、十分な一歩です。知っておくことは、いつでも戻れる安心にもなります。

あなたはわがままじゃない。むしろこんなに毎日、頑張ってるんだから大丈夫。

